乳幼児期の子どもたちに個別の活動をすすめるわけ

子どもが自分自身の世界をもち始めた頃から、4歳頃までの様子を観察してみると、ほとんどの子どもは一人遊びや、他の子とただ並んで遊ぶことを好み、他の子どもと一緒に遊ぶことに興味をもつようになるのは、もう少し年齢が高くなってからであることに気づくでしょう。

0歳から6歳までの乳幼児期の子どもは、急速に自己形成がなされていく時期にあります。この自己形成の発達には、自分の活動に集中する力がとても大切です。

電車のレールづくり、ビンに入ったレゴの数を細かく数えること、水彩画を描くことなど、子どもが何かに夢中になっている姿などを見ると、遊びながら子ども自身が学び、成長していることがよくわかります。このように子どもが夢中になって取り組んでいる時に、おとなが(良かれと思っての)コメントをしたり、遊びを止めてトイレや夕食の準備をするように言ったりすることは、この集中力を妨げ、その結果、子供の成長を妨げることになります。

モンテッソーリの環境では、できる限り子どもの集中を尊重し、その時間を守るように心がけています。

A child tracing a leaf and painting the shape with watercolor.
A child tracing a leaf and painting the shape with watercolor.

幼児期の子どもは、他の子と一緒に行動することを楽しみますが、友達に集中を遮られてしまうこともまた多いです。そのため、3~6歳児クラスでは主に個別にできる自主的な作業に重点を置き、子どもたちが他から独立して自己形成ができる時間を確保しています。

集中力に磨きをかけ、自分の中に基礎を築き上げた後は、その後も集中力を途切れさせることなく、他者と一緒に協力して活動することに寛容になります。

これが、グループワークを中心とした第二段階(6~12歳)への自然な流れです。

 

A child practicing writing their “s” on a chalkboard independently
A child practicing writing their “s” on a chalkboard independently

では、言語形成についてはどうでしょうか。

子どもが単独で作業することが多い場合、保護者の方の中には、言葉の発達が遅れるのではないかなど言語形成についての心配をされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちの教室では、言語はすべての活動の中に深く溶け込んいます。

私たちのクラスでは、個別の作業とガイド付きの少人数グループワークのバランスをとるように努めています。子どもたちは、ワークサイクル、ランチ、屋外での時間など、1日を通してガイドや友達と会話する機会が多くあります。さらに、科学、アート、音楽、植物学、自然、歴史、文化など、さまざまなトピックに関する語彙を増やすための「ランゲージ・エクステンション」という活動を実施しています。サークルタイムでは歌を歌い、毎日一緒に本を読みます。言語習得に最も効果的とされる、まさにイマージョン(英語に浸りきる)教育の環境です。

Child working with classified cards on the topic of winter clothing.
Child working with classified cards on the topic of winter clothing.

また忘れてはいけないのは、集中力がない子どもは、学習もままならないということです。モンテッソーリでは、一般的な幼稚園よりも多くの時間を子どもに自主的な個別作業をさせることで、集中力を高めます。



お問い合わせ